豚汁



今年のGWは、そのほとんどを伊良部島で過ごしました。

近所にあるAコープで食材を買ったり、
昼は弁当を買って済ませたりしていました。

品数は決して多くありません。

それでも、不思議と困ることはなくて、
必要なものはちゃんと揃っていました。

島では、毎日をその日のぶんだけで過ごしていた気がします。

福岡に戻ってきてから、
なぜか少し落ち着きませんでした。

帰ってきたはずなのに、
まだどこか旅の続きを歩いているような感じがありました。

スーパーで豚肉と味噌を買って、
冷凍していた野菜を使って、
久しぶりに豚汁を作りました。

特別おいしかったわけではありません。

でも、湯気を見ながら食べていると、
少しだけ生活が戻ってきた気がしました。

その土地では、私はただの通りすがりです。
明日のために何かを残しておく必要もありません。

けれど、豚汁を作るとなると少し違います。

冷凍庫に保存した野菜を使い、鍋を洗い、ごま油と味噌の匂いが部屋に残る。

そんな小さなことの中に、暮らしは続いています。

帰ってきた場所は同じでも、
その感覚が戻るまでには少し時間がかかったようです。

あの日の豚汁は、
おなかを満たすためというより、
旅人から住人に戻るためのものだったのかもしれません。